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Marv
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オーナーへメッセージ

2011年10月10日

(続)リメンバー・ゴー

ふと考えてみると、店に入って最初にバーボンをオーダーしてから、
一度も口を開いてないことに気付く。
追加のオーダーはすべて目配せであった。


バーテンダーと言うものは、どんな客であろうとも、-例えば本を読み耽る客であろうとも-
一度は声をかけるものである。

しかしながら、友の最期を思い出している私の表情は、
それを許さないほど深刻なものであったようだ。

(続)リメンバー・ゴー


























そう、あの時が友の最期の時であった。



最期の力を振り絞り、封筒を私に渡す。

そうすると、伝えるべきことをすべて伝えたということか、必死に声を上げることもなくなった。






とどめが必要かと聴くと、友は苦痛の表情に被せるように、若干の笑顔を浮かべた。








私は友を楽にさせてやると、急いでその場を後にした。

この状況である、当然この場所が危険にさらされる可能性は十分にある。
判断はいつも冷静である。


いつもと違うのは、多量の水分が眼球を取り巻いてることで、視界に若干の歪みが生じていることくらいだった。







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自宅に戻り、最期に手渡された封筒の中身を確認した。
 
 
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どういう事情か知るところではないが、一人で面倒をみるつもりであったらしい。

このような稼業である、仕事の前にいつも同様の文章を書いていたようだ。



いろいろなことが書いてあったが、簡単にまとめればやはり「娘を頼む」ということである。






仕事場のみの付き合いとはいえ、私にとっては人を信頼すること、つまり、信じること、頼ることなどの初めての感情を与えてくれた掛け替えの無い存在。
人の死を悼んだのもこれが初めてであった。



娘のことが気になって、頭から離れなくなっていた。











----------続けてみるつもり------------------------------------------------------







リレー小説企画中。


そんなことより宅急便。
http://marvbaxton.slmame.com/e1116662.html


Posted by Marv at 00:13│Comments(0)
 
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